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平成21年9月4日

平成21年9月議会 一般質問(要旨)

1.要介護保険事業について

(1)要支援・要介護の認定状況

質 問

高齢化率の増加に伴い、長崎県は、平成19年度介護保険認定率(20.4%)は1位であるが、長崎市の状況はどうなのか、認定者の推移、認定者が多い要因は?

回 答

平成21年月末時点での要支援・要介護の認定者数は24,585人で、要支援1・2が8,850人、要介護1から5までの方が15,735人となっており、平成22年には25,636人、平成23年は26,426人と推計している。
65歳以上の高齢者のおおよそ5人に1人が要支援・要介護認定を受けています。認定率は、県を上回り21.5%となっており全国と比べ、要支援から要介護1までの軽度認定者の割合が高く、要介護4・5の重度の割合が低くなっています。

認定率が高い要因は、斜面地や階段が多い長崎特有の地形により、室内での日常生活は大丈夫でも、買物・外出などに支障があることが主な要因と考えています。

(2)介護施設の整備方針と整備状況

質 問

介護サービスを利用する人員は、増加傾向にあり平成21年4月実績で在宅サービス利用者数15,949人、施設サービス利用者数3,334人(特別養護老人ホーム1,576人、老人保健施設1,318人、療養病床等440人)となっている。第4期介護保険事業計画における、介護施設の整備方針と整備状況は?

回 答

第3期計画時、施設の整備状況、市民ニーズ、被保険者の保険料負担等を総合的に勘案し、介護施設の整備を凍結していました。平成20年度当初において、特に介護老人福祉施設の待機者は1,000名を超えていたことから、介護保険施設の整備を行うこととしました。
具体的には、定員29人以下の地域密着型特別養護老人ホーム12施設348床を整備するものです。長崎市の高齢化率は国を上回るペースで進み、平成23年10月には26.2%に達すると見込まれ、高齢者の介護サービスに対するニーズは今後ますます増大すると思われます。

今後とも高齢化率を十分把握したうえで、計画との整合性を図り整備を進めて行きます。

今後の雇用確保と課題は?

再質問

整備計画によれば、基本構想の策定から工事着工と進めていけば、おおむね平成23年4月1日から、348人の入所が可能となる。1ユニット29名入所した場合、その事業所で就労する職員は、全体で何名程度になるのか?今後の雇用確保と課題は?

回 答

介護の現場実態は、各事業所によって違いはありますが、概ね介護職員の不足や離職率も高い状況にあり、介護職員の処遇改善が早急に求められています。
1ユニット29名入所した場合の雇用者は、介護職員15名(管理者等除く)程度必要と思われ、専門学校やハローワーク、関係団体・各事業所等と十分連携し、介護職員の雇用確保に努めて行きます。

要 望

平成23年4月前後には、全体規模で概ね200名から300名程度の新規雇用が見込める状態にあります。しかしながら、介護の現場実態は、介護士・介護職員(ヘルパー)不足、賃金は全産業と比べて7割程度の水準にあり賃金が安い状況にあります。
また、重労働のため離職率は、全体で18.7%となっており、全産業の平均離職率15.4%(平成19年厚生労働省調べ)に比べると高い水準になっています。

このような状況のなかで、1年半後、一定期間に集中する雇用確保は、各事業所とも相当厳しいものと思われます。施設の開設はしたが、働き手がいないのでは介護の現場は混乱をまねくのではと懸念をしています。

従って、行政においては、介護職員の人材育成・教育、処遇改善、働き場の環境改善など不安解消に向けた対策と指導・支援を要望しておきます。

(3)介護保険の事業費の実績と見込み

質 問

介護保険料の基準額(年額)は、平成12年度9,600円、平成13年度26,800円、平成14年度35,500円、第2期の平成15年度から40,600円、第3期の平成18年度から59,500円、第4期の平成21年度から軽減措置もあって59,500円で推移し、保険料の自己負担が増してきている。

高齢化率は進み介護サービスの利用が増大しているが、介護事業費の実績と見込みは?

回 答

介護サービスの費用となる保険給付費の推移は、制度創設時の平成12年度は約132億円であったが、平成20年度の決算見込みは約296億円と2.2倍の伸びとなっています。平成23年度は保険給付費約359億円を見込んでいます。

保険給付の財源は国・県・市の公費で50%負担し、残り50%を40歳以上の方の介護保険料で賄うことになっており、保険給付費が増大すれば介護保険料の上昇につながります。

高齢者の方が健やかに自立した生活を送れるよう介護予防に取り組み、介護保険料の上昇を抑え、老後の安心を支える仕組みとして介護保険が役立っていくよう努めます。

要 望

少子高齢化のなかで、核家族化が進み高齢者単身世帯や高齢者夫婦世帯が増加し、地域の支えあいも希薄になりつつあります。
介護保険料を値上げしないで、歳出の抑制を図るためにも心身の健康維持、リハビリ、健康づくりはまさに重要なアイテムのひとつです。

個人の健康管理、行政の介護予防の情報の提供・周知、啓蒙活動、介護サービス事業者との連携など職員力の向上で更なる介護予防の充実を要望します。

2.斜面市街地再生事業について

(1)進捗状況と今後の計画

質 問

斜面市街地再生事業8地区の進捗状況と今後の計画は?

回 答

斜面市街地再生事業は、防災性の向上や居住環境の改善を目的として事業を進めており、平成20年度末までの事業費ベースでの進捗率は8地区全体で32%となっています。
事業の進捗は、総論で賛同されているものの、用地等の買収に際して適当な代替地がない場合や買収後の生活再建が難しい場合等、権利者個々の事情により交渉が長期化しているのが実情です。岩瀬道・立神地区は県道と接続する箇所の土地所有者や道路管理者の県との協議が概ね整いましたので、平成22年度から生活道路の工事に着手できる見込みです。

水の浦地区は用地買収、家屋補償に取り組んでいます。

(2)まちづくりに対する地元の自主的取り組みについて

質 問

水の浦地区では、まちづくりに対する国のモデル事業の取り組みが継続されていますが、その概要と行政の関わりは?

回 答

平成19年度から斜面地の総合的生活環境改善を図る立体宅地による「緑住斜面都市構想の策定」「都市再生プロジェクト事業、200年住まい・まちづくり担い手事業」など国の全額補助を受けて、住環境の整備・保全等を行う事を目的に計画・立案がされています。

今年度は、「住まい・まちづくり担い手事業」として、採算性や実現性を検討していくことが予定されていますので、計画の策定については技術的なアドバイスやノウハウ提供等の支援を行い、斜面市街地再生事業との連携を図って行きます。

要望

水の浦地区に暮らす576世帯1,671人のうち、65歳以上の高齢者は760人。
人口は20年で半減し、高齢化率は45.5%になっています。7世帯に1世帯は独居老人世帯で高齢者が半数以上の地域になりつつあり、若者が減り、残った住民の多くが高齢者となった現在、「お互いさま」と支え会ってきた地域の姿は変わりつつあります。

地域の皆さんは、「自分の世代では、便利な暮らしは手に入らないだろう。それでも、子供たちが戻り水の浦が再び活気ある町になる日を信じて」未来に夢と希望を持って、まちづくりを進めています。 ・今日まで長崎市の関わりが積極的でない部分も見受けられますので、市長の発信する「市民と行政が力を合わせる」方向性を加えて、将来のまちづくりを見据え、モデル事業の推進も必要と思われますので、担当部署の積極的な支援・助言・指導をお願いし要望と致します。

3.地方分権の推進について

(1)県の権限移譲推進

質 問

長崎県は、平成18年度に権限移譲計画を策定し、市町村に権限移譲を行っているが、長崎市の現状と基本的な考え方、推進期間中の移譲の見込みは?

回 答

長崎県権限移譲推進方針に基づき、事務を受けることで市民サービスの向上が図られ、その事務量や人員に対して適正な財源措置がなされるものは受け入れる方針です。
計画期間中に2件の移譲を受けていますが、県が移譲可能項目として掲げている145項目1,367事務のうち、97項目850事務の移譲を受け、全体の約3分の2の受け入れを行っています。残りの3分の1は、事務量に対して適正な財源確保が確保されていないとの認識から受け入れをしていない。

今後、県の対応状況を見極めながら判断をして行きます。

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